6月16日(金) 0200起床 (135/86)
天気 晴れのちガス
気温 10℃
戸隠山一番の難所「蟻ノ塔渡(ありのとわたり)」は、エスケープルートがないので四つん這いになってでも渡れと山の本に書いてある
昨日も6月11日から行方不明の登山者を県警が「蟻ノ塔渡」の西150m崖下で発見、防災ヘリが収容したが死亡が確認されたと報道された
こういう厳しい山は避けたいのが本音である
が、北信五岳である、登らない訳にはいかない
今や、学生時代剣岳で三の窓からチンネを登り、長次郎谷から八峰のCフェイスやDフェイスを登った経験・実績の欠片も残っていない。兎に角、高さが怖いし、絶壁が怖い、単独行であることがこれ程の高さの恐怖を生むとは思ってもいなかった。
戸隠山(とがくしやま・1904m)
歩行距離 13.3㎞ 所要時間 6時間50分 総上昇量 886m 移動平均速 3.6㎞(全体平均速 1.9㎞)
0420時 戸隠キャンプ場登山者用駐車場発
0520時 戸隠神社奥宮
0545時 山頂への小尾根
0700時 胸突岩下部
0705時~0740時 「蟻ノ塔渡」
0745時 八方睨
0805時 戸隠山(とがくしやま・1904m)山頂
0856時 九頭竜山
0939時 一不動
0949時 氷清水
1048時 牧場上部登山道入り口
1054時 弥勒尾根ルート合流
1110時 戸隠キャンプ場登山者用駐車場着
先ずは、駐車場から車道を奥宮入り口まで歩く、コースタイムでは30分となっているが20分で到着
此処から奥宮へ深い森の中の参道を歩くと隋神門、門をくぐると巨木の杉並木が奥宮まで続く
奥宮まで参道歩きが40分である。価値のある40分である
奥宮登山口に、戸隠山ルートの案内板がある
クサリ場の連続、これでもかというクサリ場である
登山口から小尾根稜線に向かってブナの立つ急斜面を登る
小尾根に至っても傾斜はさほど緩まない、クサリ場が連続する岩場の基部まで樹林の中なので高度感はない
途中サル集団と遭遇、頑張れとキャッキャ、キャッキャとエールを貰う
一時間登ると岩壁の基部、ここからクサリ場の連続
縦に伸びるクサリ、縦から横に張ってあるクサリ
傾斜70度の岩場のクサリ、少々オーバーハング気味の岩場のクサリ
クサリ場のバリエーションが揃っている
胸突岩の長いクサリ場を這いあがった先がこのルートの核心部「蟻ノ塔渡」
クサリは無し、西側は150mの絶壁、跨ってでも四つん這いになってでも渡れと言うが、とても渡れるとは思われない
取っ掛りの20mは東側岩壁にエスケープルートがあるのでこれを使って先に進む。
この先に避けて通れない「蟻ノ塔渡」。距離僅か5~6m。
この区間のエスケープルートが無いのが気になりこの区間の「蟻ノ塔渡」下部を偵察する
下部の岩壁の傾斜が急なうえに、エスケープして小尾根に登り上がる取っ掛かりがない
此れではエスケープルートを付けるには少々無理がある
この間に、後続の登山者が最後5~6mの「蟻ノ塔渡」を越える
続いて覚悟を決めて渡りに掛かる
最後に渡るこの僅か5~6mの「蟻ノ塔渡」が難しい
ナイフィリッジの西側、登りに向かって左側に狭いステップが走っている。此れを見つけないと渡れない
このステップにスタンスを取り、ナイフリッジにホールドを確実にとってカニ歩きして渡る
渡ってみれば成程これかなのだが、初めてのルートでこの区間をこなすのはなかなか厳しい。
それでも、シーズンにはこの区間大混雑するというから人気なのである
ここを過ぎても絶壁上部に付けられた登山道を歩く
上部から、「蟻ノ塔渡」を眺める、よくぞ渡ったと思うほどの難ルートである
「蟻ノ塔渡」から戸隠山・西岳の稜線に上がりきると八方睨、さらに絶壁上部の登山道を右に進むと戸隠山(とがくしやま・1904m)山頂
昨日の「高妻山」が大きく聳えて存在感は抜群である
山頂からもアップダウンの続く登山道は絶壁の真上に付けられているので、慎重にかつ緊張して歩く
小さなアップダウンを1時間30分繰り返して最後に一気に急斜面を下ると避難小屋のある一不動に着く
ここから氷清水まで下り10分、氷の清水で「トマト」を冷やす
帯岩のクサリ場、滑滝のクサリ場を残しているものの取り敢えず大休憩
また来たいかと問われれば「・・・・」、返事のしようがない
帯岩のクサリ場では、クサリを補修するクライマー達が準備中である
雪崩や経年劣化で、岩場に打ち込んだボルトの緩み、クサリの取り付けが甘くなるなどの不具合が生じるという事である
人気のルート故、メンテナンスが欠かせないと言っていた
無事に駐車場に帰り着く、やれやれでほっとする
明日登る予定の火打山登山口、笹ヶ峰高原に向かう
途中「杉野沢温泉(苗名の湯450円)」で湯浴みする
温泉から笹ヶ峰高原火打山登山口へ、ヘヤピンカーブを数限りなく曲がって25分
広いキャンプ場が登山口である
電波が無ければ麓まで下る積りであったが、流石に有名処電波状態が完璧である。
電波完璧は、如何に山の中であっても最早常識、此れなしには通用しない。
と云う訳で、今日も1400時には火打山登山口駐車場で無事下山と明日の無事な山行に乾杯である
おはようございます。
返信削除こちらも天気良いですが、素晴らしい天気ですね。
南国の私どもからすれば、雪に驚きます。
気温も空気も水の温度も想像がつきません。
ITの時代なので、今後はバーチャルと画像処理技術で体感できる日が来るかもです。
そこまで歩いて行くことが出来ない、時間があわない人用のちょっぴり体験には使われる日も近い。
他方、先輩のような一対一の世界は、行った人にしかわからない。
感覚もそれぞれ違うので、そこが醍醐味ですね。
戸隠山には出来れば登りたくない、というのが本音であったのだが北信五岳だから頑張った。危なくってしようがない山である。冷や冷やドキドキの岩場ある気は久し振りであった。体力がないと気力に繋がらない。気力があればこその山である。新潟の豪雪が削る山は、何れも絶壁である。
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