2012年3月14日水曜日

道具たち

山あり谷あり。人生の教訓ではない。
山と谷がセットになっているのを、
愉しまない手はない。
もともと釣は趣味以前の、
「気が付いたら竿を握っていた」
という類いのもので、
船を持っていた祖父、 父の血である。
海釣りは、マイボートで沖釣り、
山釣りは、渓流足袋、登山靴で提灯釣り、
魚を求めてひたすら竿を出す。
こんなチョロチョロ水にという細い流れの
溜りに「やまめ」がいる。
ザックには必ず竿を入れている。
仕舞寸法は短いが伸ばせばそこそこ長い。
渡る沢、越える尾根の向こうの沢
登り詰める沢、チャンスは幾らでもある。
なにせ仕掛けが細いので、
眼鏡を鼻掛けにしなければ結べない。

ヤマメは、季節の味がする。
春はさわやかな春草の香りが
夏は照り輝く木の葉のあふれる緑のシャワーの香り
秋は陽を受け渓流を舞い上がり舞い落ちる
紅葉の香り
季節はヤマメに宿っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿