2013年4月3日水曜日

知床岳の崖尾根と雪崩


4月3日 0500起床 (117/74)
天気 雨
気温 車外-3℃ 車内+2℃

雨が車の天井を叩き、音を立てている。
本格的に降っているので雪解けが一気に進むかもしれない。
ここ一週間で雪解けは相当進んだように思う。
知床岳取り付きの崩浜でも、笹薮が出始め下りは雪が崩れ一緒に落下してしまった。
知床岳でも昼間は雪がグズグズでスキーが無いとどうにもならない






街中では雪解けでインターロッキングの歩道も水たまりで長靴が脱げない。
まして、公園の広場など雪が山積みとなっているので、周辺の歩道はいつも水が溜まっている。









知床岳の稜線でわずかな時間、硫黄岳への展望とオホーツク海、そして国後方向がぐるっと展望できた。登ったなーと云う実感はこの一瞬だった。
意外と半島は幅は狭いと印象を受けた。知床岳を乗り越しオホーツク海へ降りていくこともワンデイで可能な印象だった。乗り越してオホーツク海へ降りても再度乗り越して帰ってこないといけないが。





崖尾根の両側の斜面の雪崩の痕跡には声を失った。
右斜面の末端からはるか対岸の尾根際まで樹林が根こそぎ飛ばされ真っ白い雪原だけが広がっていた。新雪雪崩「ホウ雪崩」の痕跡である。崖斜面の上部からこの痕跡が一望できる。
雪がなぎ倒したのではなく、新雪が内包する空気が雪崩で極限まで圧縮されこの圧縮された空気が一気に噴出、爆風となってあらゆるものを吹き飛ばしなぎ倒す。展開された雪崩を目の前でこんなに生々しく見たのは初めてだった。
下りに左谷にスキーで滑り降りてみると、この谷も右の斜面に劣らず「ホウ雪崩」の巣であった。
斜面から一直線に何もない斜面が広がっていた。
この斜面の傾斜では新雪が厚く積もる間もなく雪崩が頻発するのだろう。雪原は谷の下流に向かって水が流れた様なえぐれが幾筋も刻まれており、「ホウ雪崩」の凄まじさが刻まれていた。
とても降雪後この斜面に取り付くことなど考えられない。
この崖斜面のほぼ真ん中を、小さな隆起の尾根が稜線まで切れ切れにつながっており、これがルートとなっている。小さな隆起の尾根だけれども雪崩ルートになっていないのか樺の木が生えて繋がっているので、ルート取りもし易いし長大な斜面にも拘らずこの樺のお蔭で、高度感も感じないで登れるのが幸いだ。もし樺の木が無かったらその難易度は数倍上がるだろう。
先日は、コルから吹き抜ける強い風に担いだスキーが煽られ、殆どピッケルのピックを斜面に突き刺しながら四つん這いで登った。斜面はアイゼンが快適に効いたので問題なかったけれども、前爪だけが刺さるような氷化斜面など考えるだけでぞっとする。御免蒙りたい。
この斜面を登ったことだけでも、知床岳に来たかいがあったというものである。
悔いは、左側の斜面をスキーで滑り降りられなかったことだ。雪面がカリカリで歯が立たなかったとは思うけれども。
こんなことを考えながら昨夜は二区にジョッキハイボール、ホルモン三昧でした。













第一節4月24日まであと少し、行ける山も限られてきた。
雨の休養日、地図と睨めっこだ。





2 件のコメント:

  1. おはようございます。
    凍ってアイゼンも先だけとか雪崩あととか怖いデスね。
    巨大ではないとしてもクレバスとかあったりするんじゃないですか?
    ところで、食事の写真ありがとうございます。それくらいたまには食べないと、疲労回復できませんよ。良かったです。
    あと限られた時間にスキー登山頑張ってください。焦らず、、、。

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  2. 今、全道に「雪崩注意報」が出ています。今の雪崩は「全層雪崩」です。今冬積もった雪が全部なだれる。おおよそ、そんな斜面は予想がつくので、そんな危ない斜面をよぎったり、斜面下を歩いたりする山は対象外。
    出来れば折角滑れるようになったスキーが楽しめる山を探索中。
    その暇暇に、ビールを飲んで英気を養っている。

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