2021年10月4日月曜日

「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」第二日目


10月3日(日) 0330起床 (ーーー)
天気 晴れ
気温 6℃

第二日目
歩行距離 8.2㎞ 所要時間 8時間05分 総上昇量 1097m 移動平均速 2.7㎞ (全体平均速 1.5㎞)

0515時 「高山裏避難小屋発(2262m)」
0615時 カール底
0815時 「荒川前岳(3068m)」
0835時 「荒川中岳(3083.2m)」
0945時~1005時 「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」別名:東岳
1105時 「荒川中岳(3083.2m)」
1117時 「荒川前岳(3068m)」
1227時 カール底
1320時 「高山裏避難小屋(2262m)」

詳細は明日10月5日予定
*カール底まで:避難小屋からカール底まで樹林の中をトラバース、水場は水はあるが少ない
*前岳まで:カール下半は黄葉した樺の林、中段から上部はハイマツとガレ、前岳への尾根に上がると登山道は崩壊地の淵、カール側斜面を使って歩く場所も危険地帯要注意
*悪沢岳まで:前岳から中岳は広大な3000m稜線で展望は360度、仙丈・甲斐駒・北岳・赤石・そして富士山、中岳・悪沢岳の最低鞍部から悪沢岳への登りは岩の壁に見えるが、取付くと意外と傾斜が緩くホールドも多く見た目とは違い悪くはない。
*モバイルバッテリーでスマホを充電するもバッテリーが起動せず充電できない。残ったスマホのバッテリーを保存するため電源オフ。

周りが見える程に明るくなるのを待ってヘッドライトを灯して樹林帯の中、山腹をトラバースする登山道を歩く。



陽が射さない樹林帯から樹林越しに朝陽が当たり「小河内岳(2802m)」と避難小屋、「塩見岳(しおみだけ 3052m)」が輝き始める
 

 
登山道は樹林の中の道だが、所々急崖に付いているので慎重に歩く。1時間でカールの底の樺の林に入る、樺の林はカールの中段まで広がる



樺の林抜けるまで1時間、その上にはハイマツとガレ場が稜線まで上がっている。ガレ場にはジグザグに踏み跡が上がっているが歩き易いとは言い難い。



カールのガレ場を登る事1時間弱、「荒川前岳(あらかわまえだけ 3068m)への尾根に上がるが、登山道は崩壊崖の淵ギリギリのある。



とても歩ける個所ではないのでカール側ハイマツの中を歩き、その上部では大きく下って避ける個所もある。淵ギリギリを歩く登山者はいるのだろうが最悪の登路である。



0815時、3時間で「荒川前岳(あらかわまえだけ 3068m)」、「赤石岳(あかいしだけ 3121m)」が目の前に広がる。山頂から下っている縦走路が尾根に細くつながる


そして「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」と「富士山」が並んでいる。



「荒川前岳(あらかわまえだけ 3068m)」から「荒川中岳(あらかわなかだけ 3084m)」は、広大な3000mの尾根で展望は全周の360度、遮るものが無い。
「仙丈ケ岳(せんじょうがたけ 3033m)」「塩見岳(しおみだけ 3052m)」「甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ 2967m)」「間ノ岳(あいのだけ 3190m)」「農鳥岳(のうとりだけ 3026m)」、50年前の記憶が蘇って来る



「中岳避難小屋」から「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」へは一旦大きく下り正面の岩壁に取り付く




最低鞍部からは直立した岩場に見えたが、ガレ場も意外と見た目とは違い緩い登りで、取付いた岩場もホールドも足場も豊富で登り易い、そうは言っても難路には違いない。



「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」山頂に立つ、50年前の南アルプス全山縦走時この頂に立って居れば今こうしてこの山頂に立つことはない。その時パスしたお陰で最高の天気に恵まれ展望が楽しめる。残る3000m峰は遂に「富士山」だけになる。


山頂から北の展望が重厚で大きく広がる。谷は大きく深く幾重にも入り込み山が深い。


岩壁を慎重に下り「荒川中岳(あらかわなかだけ 3084m)」へ登り返す、一歩一歩が妙に楽しい。やはり3000mの稜線には特別な何かが潜んでいる様だ



「赤石岳(あかいしだけ 3121m)」と「荒川三山(前岳・中岳・悪沢岳)」を結ぶ縦走路から多くの登山者が上がって来る。大井川「椹島(さわらじま)」を起点に周回する登山者である。南アルプスの最も奥深い山域の筈が、今や「南アルプスの表銀座」ではないだろうか。
バス便が新型コロナで休止中にも拘らず椹島まで17㎞を自転車や歩き(5時間)、小屋と避難小屋利用で上がって来る、その多くが若い人であるのにも驚いている。行き会った若者は、畑薙から「椹島(さわらじま)」まで歩いて入り、荒川三山を越えて三伏峠から鳥倉林道に下ると云い、そして目下南アルプ中心に登っていると云う。静かなところが気に入っているらしい。



「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」の背後の「富士山」には何時登ろうかなどと考えながら下山開始


そんなことを考える間もなく、兎に角「荒川前岳(あらかわまえだけ 3068m)」からの下りは最悪である。



ほぼ垂直の崩壊崖の真上に微かな踏み跡、皆さん避けてカール側を通る



この山行中最も危険極まりない、通りたくない個所である。



カールの上端に立ってほっと一息つく



朝は日が当たらず暗いカールが、1200時のこの時間には陽が差し込み樺の黄葉がカールを染めている



そしてカールを取り巻く斜面もモミの木の緑と樺の黄色の織り成す色合いが絶妙のバランスで輝く



天気に恵まれて最高の山行になっている



昨日先行した登山者に、「悪沢岳(わるさわだけ 3141m)」を登って「荒川中岳(あらかわなかだけ 3084m)」に登り返してくる途中で出会う。「何処から?」と聞かれたので「高山裏避難小屋二泊の悪沢岳」と答える。聞くと、一泊二日荒川小屋泊で「赤石岳(あかいしだけ 3121m)」を往復して今から下ると云う。片道30㎞前後、通常二泊三日か三泊四日のコースを一泊二日で登ると云うから驚く。
小屋から15分ほどの縦走路の水場で水を汲んでいると、外人さんと行き会う。
「今から登るの」と聞くと「はい」と言う
時間は1300時、今から「悪沢岳(わるさわだけ 1341m)」まで往復するらしい。
小屋で寝ていると1740時帰って来る。往復4時間半である、走って上下でも難しい。
とんでもない時代が来ている。

2 件のコメント:

  1. こんにちは
    凄い凄すぎて声も出ません。綺麗な景色ですが、そこを歩く、そこまで行くと考えると気持ちが萎えてしまいます。
    2日目も8時間、最後にお会いした方は更に超人。凄い人がいるものですね。本当に奥が深い。

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  2. 最近とみに増えたのが「トレラン」、小さなザックを背中に括り短パンスニーカーで登山道を駆けていきます。小さな山ならありかと思うものの、大きな山、高度差のある山、関係なく駆けているので驚きます。流石に「悪沢岳」クラスの山では見かけません。それでも塩見岳では所要時間の競争をしているようでびっくりします。

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