2012年11月26日月曜日

九州中央山地「国見岳~水上越」


11月26日 0600起床 (124/83)
天気 雨
気温 10℃ 

国見岳から南に延びる稜線は、熊本県・宮崎県の県境「峰越峠」を経て白鳥岳に至る。
この稜線は、かつては椎葉と五家荘をつなぐ幾つもの峠が在り生活道、通商路であり「向霧立越」と呼ばれる。
白鳥岳からさらに西に延びる尾根が水上越を経て七辺めぐり、石楠越から積岩山に至る。





寒い朝だ。








初冬の稜線は遠くまで見通しが効き、ブナや、ミズナラの巨木の林立、モミ等の針葉樹の巨木の点在を見ることができる。










緑のシャワーを浴びる新緑の春、紅葉の秋は、稜線の一本一本の木を愛で楽しむが、初冬は稜線の森全体を眺め通してブナやミズナラの巨木のある自然をそのまま楽しむことができる。














 国見岳から小国見岳・五勇山間の稜線は、全区間ブナとミズナラの自然林で至る所に巨木が立っている。倒れた巨木、立ったまま朽ちつつある巨木、他を圧倒する枝を広げ稜線を占有する全盛期の巨木、巨木間を埋める若木に幼木が、世代交代を見せる稜線である。谷側斜面もブナやミズナラの自然林で稜線全体の環境が守られている。




 五勇山から烏帽子岳の稜線は、林床がスズ竹に覆われ見通しは効かない。この間の稜線の見どころは、シャクナゲの群落である。地を這った幹が途中から立ち上がり、濃い緑の葉をもった枝を一面に広げている。大群落である。初冬のこの時期は、花芽がようやく固く丸くなり厳冬を越していく様を目にする。花芽の数で開花した群落の様子がうかがえる。此処でも、芽をだしようやく10数枚の葉を付けた幼木が至る所に見られる。峰越峠から烏帽子岳は、スズ竹の稜線を1時間40分で達する。初冬の群落と開花した群落の両方を見るていると、山の変化の妙が面白い。



 峰越峠から白鳥岳・水上越の稜線は、全区間ブナとミズナラ、モミの稜線である。














これでもかというほどの巨木の連続、巨木の乱立、巨木の密生である。
















国見岳から烏帽子岳の稜線と違い、稜線まで人工林が迫った部分があるものの、それすらも従僕と化している。















風衝部の稜線のブナやミズナラ、モミの木は白骨樹となって孤立し、その先には巨木の稜線が変らず続いている。










ブナの巨木の根元には、ブナの実の殻がびっしりと厚く一面を埋め尽くしている。巨木にして可能な仕業である。













 


かつては林床はスズ竹が密生してルートすら見つけるのが困難だったなどとはとても思われない。
スズ竹は林床から姿を消し明るい稜線がどこまでも続く。稜線は丘と云えるほど広がっておりややもするとルートを失いそうになる。
稜線の所々に石灰岩の露頭がある。
カルスト地形であり、ドリーネである。
ブナはここでも根を下ろし、露頭した石灰岩に根を回し、掴み大きく君臨している。
踏み跡も微かで設置されたテープを辿る。
目立ったピークもないこの稜線は、入山者の空白区間かも知れない。だからこそ、見通しが効き稜線そのものを楽しめるこの時こそお薦めである。片道3時間の自然旅行、山行である。






2 件のコメント:

  1. いや~~!巨木のオンパレードは圧巻てすね。パワースポットです。山から力を貰った巨木からの強いパワーを感じます。
    いや~ほんとに良いものを見せて頂き感謝します。(お礼)
    日本全国、西高東低の冬型!寒いです。。。

    北海道とは違う寒さではないでしょうか?

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  2. もう世間では見ることのできない世界が展開している。せいぜい神社の境内ぐらいだろう。
    稜線丸ごと巨木と云っても過言でない。その稜線に身を置くとそこに居ることの不思議さ、歩けることのありがたさを感謝する。真顔になります。
     しかし、車の窓も凍るほど寒かった。

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