2023年8月29日火曜日

山旅三昧は森を見る旅でもある


8月29日(火) 0300起床 (ーーー)
天気 晴
気温 26℃

着色した図は「日本列島の潜在自然植生図(宮脇昭著 森の植物生態学者の理論と実践 講談社現代新書)」である。
「日本の潜在自然植生」についてこう記されている
・関東以西の海岸から海抜八〇〇メートル付近までは、シイ、タブ、カシ類といった照葉樹林(常緑広葉樹林)が潜在的自然植生。海抜八〇〇メートルから一六〇〇メートルまでは落葉(夏緑)広葉樹林(ブナ、ミズナラ林)が主な潜在自然植生です。海抜一六〇〇メートルから二六〇〇メートルの本州中部山岳及び北海道の約四〇〇メートル以上は亜高山性の針葉樹林で、本州ではシラビソ、オオシラビソ、トウヒ、コメツガ等が主木。北海道ではエゾマツ、トドマツ、アカエゾマツ等が主木です。
「潜在自然植生図」を着色すると、日本列島のほぼ全域が塗りつぶされる


・「その一方で現存自然植生はなっているでしょうか」と記されている
と、「日本列島の現存自然植生図」が示されている。着色すると九州、四国、中国の各地域には極僅か残るのみである。
理由は
・照葉樹林域でも落葉(夏緑)広葉樹林域でも、木炭や薪、或いは建材を得るために数百年あるいはそれ以上の昔から二〇から二五年に一回の定期的伐採が行われていました。特に第二次世界大戦以降は、焼失した家屋復興のために木材利用が急増したため、国家をあげて全国的な針葉樹拡大造林政策が実施されました。山地に残っていたブナやミズナラ林などの落葉(夏緑)広葉樹林までもがほとんど伐採されて、スギ、ヒノキ、カラマツなどの針葉樹林に替わりました。現在では自然林は、落葉(夏緑)広葉樹林域でもせいぜい東北地方の白神山地や日本海側の山地や下北半島などにしか残っていません。亜高山性針葉樹林帯の自然林は比較的残されています。しかし下限付近では伐採されてカラマツが植えられているところも少なくありません
土地本来の森は0.0六」パーセントらしい
こう記されている
・このように見ていくと、私たちが自然林と思っていた日本の森は、土地本来の森からかけ離れた二次林、造林された、スギ、ヒノキ、カラマツなどの単植(モノカルチャー)の人工林などの代償植生であり、極端な表現が許されるなら、それはニセモノの森と云う事になります
更にこう記される
・里山と云われて親しまれてきた雑木林もまた土地本来の森ではありません。雑木林とは、国木田独歩ノ『武蔵野』や徳富蘆花の『自然と人生』に出てくるようなクヌギ、コナラ、エゴノキ、ヤマザクラなどの落葉広葉樹林で、長い間それが自然の森だと思われてきました。学会でも一九六〇年代半ばまではそれが定説でした


山旅三昧は森を見る旅でもある、よって此処十二年間に亘って「日本列島の現存自然植生図」に示された森を歩いてきたことになる。
「土地本来の森は0.0六パーセント」と記されているが、感動する森に出会った感覚でいえばこうである
「イヤイヤ、現存自然植生、原生林、美しい森、驚きの森、再生する森は、日本列島各地を歩けば日帰り圏内でたくさん出会え残っています」
僅かに残された「現存自然植生」をくまなく歩いた「山旅三昧」十二年間なのである

2 件のコメント:

  1. おはようございます。
    全国、森、林、道、川、湖、池、半島、島、と色々な風景が日本地図をみると浮かび上がってくるのが見えてきます。
    羨ましい限りです。
    私も全国色々いきましたが、グーグルマップなどにしっかりとポイントをつけておけばよかったと反省しております。
    どこに行ったのかも忘れているので、記録は大切ですね。
    29日は福岡県田川市に視察にいき、お昼は「牧のうどん」でした。

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  2. 牧のうどんは知らない。山旅出発時ならチャンスありだ。
    森を歩くのは楽しい、その理由がこれだった。改めて頭の中を整理すると、ひょとすると山頂よりこっちだったかもと思ったりするもまさかだろう。

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