2015年7月17日金曜日

奇跡の日帰り山行「カムイエクウチカウシ山(1979.4m)」


7月16日(木) 0130起床 (---)
天気 ガスのち晴れ
気温 14℃

昨夕登山口に入り、山行準備を完了、一泊二日の予定である
朝、というより深夜0100時起床で0200時出発と決める
山頂への登山ルートは、林道歩き、沢歩き、滝の巻道、山頂へのナイフリッジと云う変化に富んだ、慎重さが求められるコースである。
結果は、無事「日帰り」で登った。

「カムイエクウチカウシ山(1979.4m)」
歩行距離 45㎞ 所要時間 17時間07分 累積標高差 1445m

コースタイム
0222時 札内川ヒュッテ登山口発
0352時 札内川・七ノ沢合流点
0612時 八ノ沢出合
0822時 三又取付き
1018時 八ノ沢カール
1052時 ピラミッド峰とのコル
1148時~1202時 「カムイエクウチカウシ山(1979.4m)」山頂
1240時 ピラミッド峰とのコル
1250時 八ノ沢カール
1402時 三又取付き
1610時 八ノ沢出合 
1745時~1804時 札内川・七ノ沢合流点
1929時 札内川ヒュッテ登山口着

札内川ヒュッテから札内川・七ノ沢合流点まで約8.5㎞の林道歩きから始まる
トンネルを二つ潜った先約1㎞で舗装は終わり、以後は砂利道である。
8.5㎞の区間は、車で走る分には問題はない路面状況と思えるのだが、管理者はゲートを閉め全面通行止めである。この林道歩きは相当につらい。それも以前より手前のゲートが閉っているので歩く距離は倍ほど。
予定通り、リヒトが必要ない0400時に沢歩きの始発点、札内川・七ノ沢合流点に着いた
登山靴を沢靴に履き替える
漸く明るくなったばかりの沢は、広い河原に幾筋もの水路で流れている

河原は、大石がごろごろしている、歩きにくいので、流れの脇の河畔の林の中に踏み跡が出来ている。笹や低い潅木で覆われているので注意深く観察、捜しながら歩く。一旦見失うと元の踏み跡に戻るに藪を漕ぐ羽目になる。概ね右岸に踏み跡は続いていた。








約4㎞歩いて、八ノ沢出合に着いた。















通常は此処にテントを張り山頂を往復、翌日下山の二泊三日のコースである。
この出会いから八ノ沢に入る。











大きく開けた沢なので陰険さはないが、沢には雪崩がなぎ倒し運んだ木の残骸が山となって積もっている。八ノ沢を自分流に登って行くと、これら残骸越えに時間を取られる。此処でも、いつの間にか出来たであろう残骸や激流、崖を避ける踏み跡を捜して登って行く。しかし踏み跡も不明瞭でかえって時間を浪費してしまう個所も随所に出てくる。
ガスの中に最奥の取り付きが見えてくると、雪渓が出てくる。薄い危ういスノーブリッジを渡り雪渓を登る。





遠目に真っ黒に見えた雪渓は、雪崩が運んだ斜面の樹木、岩、草付き全ての残骸だった。北アルプスの雪渓を見慣れた目には、真っ黒の雪渓の凄まじさが一段と恐怖だった。











八ノ沢最後の詰めは、三ツ又の真中の滝を登る。沢とはとても呼べない。八ノ沢カールからここ三ツ又へ一直線に滝を連続させながら流れ下る。












此の滝の連続を、滝を避けつつも滝の飛沫を浴びながら滝の脇の巻道を登って行く。ロープが設置してある巻道もあって神経を使う登りである。
再度沢靴から登山靴に履き替え慎重に登って行く。














岩場にガレ場、藪の急登、ガレたルンゼと変化に次ぐ変化である














八ノ沢カールが近くなると、幾分傾斜も緩くなり水流の横を登る個所も出てくる。
しかしやっぱり最後は、滝を越して八ノ沢カールに出る











八ノ沢カールは、想像していたより小さい。しかし背後の「カムイエクウチカウシ山」の山頂下絶壁が大きいからかもしれない。雪渓が残りたっぷり冷たい水が流れていた。
予定では、今日は此処で行動終了テント泊
時間は1000時、山頂を往復することにする








ピラミッド峰とのコルに上がり山頂への痩せた稜線を登る
痩せた稜線の右には「八ノ沢カール」












左には「コイボクカール」














右は絶壁、左も急斜面おまけに岩稜混じりのハイマツ斜面、足を引っ掛けて転倒しないように気を使う登りである。












山頂には、小さな山頂標識が立っていた
山頂に着いた時点でガスが切れて、展望は360度、欲しいまま。












鋭鋒が遥か先まで連なり、その鋭鋒を繋ぐ尾根が鋭角に折れたり急激に落ち込んだり、累々延々と繋がっている












遥かに「幌尻岳」と「七つ沼カール」



















其れにつながる尾根と峰


















次に登る予定の「コイカクシュサツナイ岳」「1839峰」此処から見てもその困難さが分かる屹立だった。
展望を楽しんでカールに降り立つと、1240時、此れなら八ノ沢出合のテント場までは下れると判断して下ることにした。
下った八ノ沢出合のテント場で1610時
散々濡れた衣装で寝る気も起きない。
林道に出るのに後一時間半の沢歩き、其の後は少々時間は遅くなっても林道歩き。
頑張れば、お風呂と冷たいビールが待っている
結局、お風呂と冷たいビールに惹かれて「日帰り山行」となってしまった
とても通常ではできる山行ではありません。
くれぐれも挑戦などと云う気は起こさない事です。

危機一髪
 ガレたルンゼを下っている時、大きな石に乗ったところその石が落石した。
急なルンゼを急速にスピード増し大きく跳ねて落下していく
落下していく先を見ると一人の登山者が上がってくる
「ロック」「落石」と大声で叫んだが聞こえているのか聞こえていないのか分からない。
幸い、登山者はルンゼの中ではなく、ルンゼに入るためのトラバース路にいた
ルンゼは樋のようになっているので、もしその中だったらと背筋が寒くなった。
登る時も、下る時も浮石やガレた個所では、十分注意して歩くが、今回のような事態に遭遇したのは初めてだった。
幸運にほっと胸を撫でおろした。

今日の花
シラネアオイ















フウロ












 キンバイ















ナガバカラマツ


























2 件のコメント:

  1. こんばんは
    北海道はやっぱり気温が違いますね。また、写真から見える空気感も全然違うのがわかります。
    こちらは梅雨が開けたかと思うと雨ばかり、なんだか86水害の時のようでなんだかこわいです。
    無事でありますよーに!

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  2. この日は条件は最高、沢の中は涼しい、日差しの中に出ても吹き下ろす風で心地い歩き。稜線に上がると寒いくらいの風、おまけに頂上ではガスが切れて、展望360度。
    その後は天気が回復、何時までも陽が落ちない。こんな日は一年に一回あるかどうか。
    良い巡り会いだった。感謝感謝。雨の皆さんには申し訳ない。



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