2012年6月17日日曜日

北海道で憧れの山「ニペソツ山」

6月15日 0215起床 (138/89)
天気 晴れ 気温 9℃

深夜0時 天には星が溢れ
明日の晴天を約束してくれている。
0215時、東の空には
薄く明けの白さが線となっている
お握りと
昨夜のカレーをスープにして
午前3時の朝食。
0400 登山口発
沢を横断する流木を利用して
対岸の登山道を登る。
急崖は続き、沢音はすぐに消える。
樹間から殆ど水平に
陽が射しこむ。
太陽が昇るのと
競争するように高度を稼ぐ。
0530 子天狗岩場
ここまで登ると樹林帯をを抜け
前天狗岳の登りが見通せる。
ニペソツ山の頂上は
前天狗に隠れてまだ一度も見えない。
一度前天狗岳に登り上げ
それからニペソツへ入ったん下って
最後にニペソツへ大登を掛ける。
その大登の予行演習みたいなものである。
0700 前天狗岳の登り上げた。
ニペソツのピークがやっと見えた。
ここまで登らないと頂上は拝めない。
更にここから前天狗岳に登った分だけ一旦下って、
再度ニペソツへ上り返す。
これでもかという仕掛けが待っている。
左が絶壁、右が急崖
細い稜線を慎重に下り
喘ぎながらもっと慎重に上り返す。
音更山や石狩岳からは
この尖ったニペソツ山の穂先が見える。
登りながら近づく穂先は
ほんとに天を衝いている。
0815 ニペソツ山山頂
絶好の好天。
見える範囲あの山々が鮮やかである。
十勝山塊からトムラウシそして大雪山塊
これまで登った山をすべて展望する。
芦別岳、夕張岳、そして日高の山々
30分も長居。
前天狗に登り返す途中で
登山者と遭遇。
50分遅れでスタートしたとか。
もう下山ですか、早いですねと驚かれる。
これから日高方面にと話すと
登山道がないこと、沢が登山道なこと
稜線はもっと鋭利なこと等々
情報を教えてもらう。
0950 再度前天狗岳へ上り返し
これから下ると前天狗に隠れる
ニペソツのピークを刻み込む。
1140 登山口着。
7時間40分の山行。
ニペソツだからこその時間と充実。
そんなに簡単には登らせないぞ、
と言っている。
良い山だ。
これまで、北海道の人に会うたび
ニペソツ行ったか、二ペソツ行ったか
と聞かれていた。
これから私が言う番だ。

ダニチェック。
入山届出では、4日ぶりに
人が通る登山路。
鹿専用路が4日振りに登山路に変る。
ダニだって待ってるだろう。
結果無事。  

冷たい雪解けの沢水で
行水を敢行。
痺れる。
どこもかしこも。
引き締まる。
鳥肌が立つ。
震える。
しかし、爽快、これ以上ない。

超冷たい、冷泉と思えなくもない。
そんな行水後のさっぱり感。

石をひっくり返すと
陽炎の幼虫。
居るんだこの雪解け、超冷たい水に
と驚き虫を針に刺して、
流れに落とす。 
即反応、上げると15㎝のイワナ
餌を変えずに4尾。
写真を撮ってさようなら。
居るんだこの沢に
冬、雪に埋もれ、
雪の下な小さな流れや、淀みで
生きながらえた魚
けなげだな。
そして自然だな。
何ともいいもの見せてもらって
しやわせ気分がいっぱいになった。


これから一旦下りまた登るニペソツ山を背に









 山頂、見渡す限り山また山


 ここを下るともう山頂は見えなくなる
 明日登る予定の石狩岳、音更山の山々
 陽が射しこみ、緑のシャワーが降り注ぐ
北海道の春三昧

イワナ、生きてるんだ
この厳しい環境で
いとおしくなる

2 件のコメント:

  1. おはようございます。今日もいつもように、ダイエット通勤中に山旅先輩のブログを確認。、ニペソツ山登頂おめでとうございます。好天に恵まれて最高だったことと思います。今まで登られた山々を見渡す優越感は、想像出来ます。『ヤッター!俺は凄いだろう』って感じでしょうか?。おめでとうございます。
    さて、いわなは簡単に釣れるんですね。それもその辺の虫で、びっくりてす。
    その日はいわなの塩焼きに、ビールだったでしょうか?
    先輩故郷は近は梅雨の大雨、これ以上降ると田植えに応えるくらい降りましたが、災害になる程は降っていません。先週、今週が田植えのピーク!北の地方とは1カ月以上違うと思います。
    今日は一般○問2日目、卒業された山旅先輩には関係なくなりましたが、故郷のため孤軍奮闘していますので、応援よろしくお願いします。

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  2. イワナはリリースしたの。北海道人になったの。
    雨に台風。北海道には何もありません。
    北海道の人は豪雨を知っているかしら。
    五所川原の吹雪が売りになった。
    何とかならないか。傘が役に立たない雨。他の音が聞こえなくなる雨。

    流石に登った山が見えるようになると、居るんだなー、北海道に。
    という感想の方が大きいな。そんなに登ったんだ。という感想。
    本当に、歩んだ登山路の全てが語れるような気がする。
    あそこはこんな石が転んでたとか。
    着実に山が、道が、景色が積み重なっている。

    八街道の田植はとうに終わり、もう麦が穂をだし、ジャガイモ畑は青々
    ついこの間まで雪があったんだぞ。早い、とにかく早い。
    あっという間に穂が出てる。

    北海道を走りまわりながらQ&Aしている。
    雪に押しつぶされた民家を、何百軒いや千軒は見ているかもしれない。
    限界集落はとうに越え、ゴースト集落、放棄村に近いかも知れない。
    暮せない。おそらく稼いでも追いつかない。経費が食ってしまう。
    食い扶持さえ残らない農業より、街に出て日銭を稼ぐ選択をした。
    一冬置けば家や倉庫が雪に潰されることが分かっていても、
    もう帰れないことが分かっていても町に出る。家を捨てる。
    すべて捨てる。二度と帰らない、帰れない。
    こんな現実が北海道の片隅ではなく、至る所で見られる。
    すごい現実です。
    ゴーストタウンは広いアメリカでは見ました。
    町はあっても人が居ない町。北海道みたいに家は潰れていなかった。
    家が雪に潰され、夏草が覆い、去年かな、一昨年時かな、もっと先かな。
    夏草の茂り具合を見ながら想像する。

    兎に角、日々稼げる田舎、稼いでいる実感のある田舎、子供にもこれ位稼げるんだぞと言える田舎、サラリーマンなんかになるもんじゃないぞと言える田舎。
    これに限るんじゃないかというのが、今の感想。
    すごいぞ北海道は。

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