8月3日 0210起床
道の駅では月が煌々と
ウトロ道の駅から岩尾別登山口へ。木下小屋前駐車場は満車、ホテル前空き地に駐車
0418 登山口発
4月28日の羅臼岳山行時の記憶が蘇る。
雪に埋もれていた登山道とは言え「なるほどここに夏道はあったのか」など記憶をすり合わせながら、順調に高度を上げる。
0550 極楽平
休憩地点で偶然、4月28日に付けたテープを発見。なんと夏道の真上に付けている。
冬も夏もルート選択にそんなに違いはないということか。
一面の雪原を歩いた極楽平は、今は雪に捻じ曲げられた樺の林、そのトンネルを歩く。
弥三吉水は水量十分、銀冷水は水流は細い。
0700 羅臼平
羅臼平直前のハイマツの中の登山道に、いましたばかりと思われる大きな塊の熊の糞
レンジャーから親子熊が居ついていると聞いてはいたが、まさに居るぞと言わんばかり。
羅臼岳はパス、そのまま三ツ峰登山道へ進みコルへ、
コルからははるか遠くに目的の山「硫黄岳」が霞む。
登山道はしっかりと踏まれ特に問題はなく歩ける。
0730 三ツ峰先のテント地
テント場も乾いており熊の心配さえなければ快適そう。
今日はここから先一人旅。
熊の痕跡、掘り返し、糞はいたる所にあるが、新旧入交っている。
新しいと思われる掘り起しはハイマツ帯に見られた。
羅臼岳が、姿を変え、山の陰越しに見えるようになる。
一方、硫黄岳は一歩ごとに近づいてくる実感がある。
羅臼岳を振り返り、羅臼岳と三ツ峰の山の重なりの変化を愉しみながら
一歩一歩近づく硫黄岳の山肌の荒々しさが鮮明になってくる。
歩く足元にはお花畑が展開する。
0900 オッカバケ岳
テント地からサシルイ岳を越え一旦コルの湿地の下る
花畑が展開する。風の音しかしない。一人貸切。
オッカバケ岳に向かってハイマツの登山道を登る。
背を超すハイマツが、次第に腰高から膝高のハイマツに変化する。
高度差100m弱の変化としてはとても大きように思う。
それだけ高さと斜面は植物には過酷ということか。
高さが変わるたび、ルートが屈曲するたび羅臼岳を振り返り見る。
写真を一枚撮る。
近づいてくる硫黄岳を構図を変えて撮る。
足元のお花畑を撮る
池と山を撮る
池と雪と山を撮る
花と空を撮る
山と空を撮る
池に空が映ってるのを撮る
1200硫黄岳山頂着という予定通り歩いてるのか、進んでるのか、気にはなる。
気にはなるけど、それより二度と見ることは無いだろうこの瞬間の
一部を切り取って帰ることの方がもっと気になる
通り過ぎた花畑を5歩戻って撮る。
3歩上がったら羅臼が隠れた。3歩下って振り返って撮る。
1030 南岳
二ツ池は、湿地全体が満杯状態。
登山道まで水位が上がり、ハイマツの上を歩く。
まだ雪も融け残り、融けた先から花畑になっている。
視界が効くので容易に進めるが、これがガスの中なら
水と、ガスでにっちもさっちもいかないのではないだろうか。
とても夏道を探し出して歩けるとは思われない。
難所。
二ツ池から稜線に上がると、硫黄岳が正面に迫る。
硫黄岳からの稜線は西側が崩落、地肌剥き出し。
近づく硫黄岳は、岩峰と山肌の崩壊が目の前に展開する。
稜線東側は、ハイマツとお花畑が交互にあらわれる。
稜線を離れ知円別岳東側平坦地を進む。
ここのお花畑は圧巻だった。
一面が白、黄色。
花畑からハイマツ路
抜けると、突如茶色い地肌の稜線が目前に展開する。
谷からガスが湧きあがりその全容ははっきりしない。
明確なのは、この稜線上を進むこと、
稜線上の岩峰を超えること
顕著なニセピークを越すこと
これまでの、ハイマツ帯や湿地帯、
お花畑とは全く様相を異にする
岩稜帯に入る。
急崖をトラバース、崩壊地の稜線の小さなアップダウン、
その後の岩峰の乗越。
慎重に歩けば特に問題は無い。
ルートも明確、ただし雨天時やガスが濃い時は
粘性質登山路の足元不安、ルート発見は困難だろう。
ニセピークを大きく下り、登り返すと本峰が姿を現す。
本峰は岩峰である、顕著な三つの岩峰の一つである。
1200 セミロッククライミングで山頂
山頂への途中で、親子3人組と遭遇。
「どこから」
「岩尾別からワンデイ」
「まー」
「私たちのんびりペース、昨日二ツ池、テント泊」
山頂からは羅臼岳方向は何とか見えるが
知床岬の先端方向はガスで見えない。
残念、知床岳を見たかった。
大崩壊のウブシノッタ川と硫黄川の稜線に下り
稜線暫くで硫黄川を下る。
稜線直下の硫黄川には雪渓が残るが
表面には瓦礫が積もってがれきの川としか思えない。
雪渓上のがれきをジャリせーど気味に下って行く。
雪渓が切れると、岩盤露出の枯れ川を下る。
950mで新噴火口への尾根へ登る。
ハイマツのトンネルになった登山路を下る。
振り返る硫黄山はハイマツの山に変化している。
地肌剥き出しの硫黄山塊ととは別物である。
新噴火口からしばらくで林道
1430 林道着
ゲートで許可申請(登山後でも出す必要あり)
1453 シャトルバス
1530岩尾別バス停
岩尾別登山口まで3.8㎞の林道歩き
林道から縦走した山々が見える。
山頂にはガスがかかっている。
1615 木陰をひろって淡々と歩き登山口着
遠かったけれども、飽きなかった。
次々に転嫁する景色、景観、お花畑は
これまでの山行とは全く別物で、
初めて経験するという感覚が強かった。
いたる所ハイマツの斜面
融け残る雪渓
雪渓後のお花畑
ひと尾根越すごとに遠ざかる羅臼岳
ひと尾根越すごとにぐんぐん近づく硫黄岳
これ程の歩くスピード感を味わったことがない
これまでの感覚は、歩いても歩いての近づかないまだかよ
今回の感覚は、羅臼岳が遠くなる、歩く度一歩一歩遠くなる
硫黄岳がもうこんなに近づいた、大きくなった。
おそらく、羅臼岳と硫黄岳のみが視界の全部、全面、全画面だからだろう。
他には何も見えないし見ることはない。
一人旅の稜線、貸切の稜線
全盛の花独り占め、天気上々
熊遭遇無し
よかった、よかった。全部よかった。
ぐんぐん遠くなる羅臼岳
どんどん近づく硫黄岳
斜面の地肌もしっかり視認できる
硫黄岳をバックに
振り返ると雪渓と青空
ようやく中間地点
ぐんときた硫黄岳
さらに一枚
二ツ池越しに
もうすぐそこに見える
青空を写す二ツ池
こっちも青空
山も写す
融け残った雪渓と空と
どうだと山が云ってる
やっぱり池と雪と青い空
もうすぐそこだ
頑張れ
硫黄岳の稜線に乗った
これを越すとまた近づく
突然硫黄岳むき出しの稜線
眼前の岩峰は直接乗越て行く
慎重に慎重に
通過した稜線を振り返る
これから進む稜線
これも知床硫黄岳
通過した稜線を振り返る
硫黄岳頂上から
遥かに遠くなった羅臼岳
雲の間から羅臼岳がのぞく
来たもんだ
どうだ
硫黄岳を下るとがれきの積もった雪渓が
青空をバックに
雪渓が口をあけている
硫黄岳頂上ガッツ
よくやった
こんなに広かった
お花畑の上にも青空が
硫黄岳を降りるときにもハイマツの緑のじゅうたんの上に大きな青空
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